本屋をやりたいと十年言い続けて、実際に始めたのは去年です。踏み切れなかった理由ははっきりしていて、毎日開ける自信がなかったからです。生活費を本の売上だけで賄うのは、今の規模では無理がある。だったら週二日にすればいい、と思いつくまでに十年かかったことになります。やるかやらないかの二択で考えているうちは、ずっとやらないほうを選び続けていました。三つ目の選び方があると気づいた時点で、話は早かったです。
開けない日があることを、隠さない
週二日しか開けないと聞くと、中途半端だと言われることがあります。ただ、開けている日を減らしたおかげで、その二日はきちんと店にいられる。本を選ぶ時間も確保できます。毎日開けて、店主が疲れきっている本屋よりはいいはずだと思っています。開けない日があることは、入口にはっきり書いています。来てくださった方を空振りさせるのがいちばん申し訳ないので、そこだけは分かりやすくしておきたいと考えています。
棚は三本しかありません。増やそうと思えば増やせるのですが、置ける冊数を先に決めておくと、一冊入れるために一冊出すことになる。この作業が、選書そのものになっています。何を入れるかより、何を出すかで店の性格が決まる。始めてから一年で、それだけははっきり分かりました。棚を増やしていたら、たぶん何も決めないまま冊数だけが増えて、どこにでもある品揃えになっていたと思います。
毎日開けられないなら開かない、という考えを捨てたら始められました。
小さく始める人が、もっといていい
この通りで店を持つのは無理だと、始める前は思い込んでいました。実際には、探し方さえ分かれば小さく借りる方法はあります。ただ、その情報がまとまっている場所がどこにもない。私も知人づてで見つけました。週に二日でも、月に数日でもいい。小さく始める人がもう少し増えると、この通りは変わると思います。最初から大きく始められる人だけを待っていたら、空いた場所は空いたままになってしまいます。